「いってきます」


家を出て自転車で学校へ向かった。


私の名前は鮎川美衣(あゆかわみい)、ちょっと内気な高校2年生。


見た目は普通な感じ。


学校へ行く道には大きな下り坂がある。


下り坂を下るときに私に吹きかかってくる風は12月の今には寒くてきつい。


「…さむ…」


体がぶるっと震えた。


そんな下り坂を降りている時、私は途中で自転車を停止させた。


その止まった場所は【売家】と書かれた張り紙が貼られている一軒家の前。


今、私にはとても後悔していることがある。