「梓、俺の彼女になってくれる?」


「うん!」



宇野さんのことはまだまだ知らないこともたくさんある。

というより、知らないのほうが多いかもしれない。


だけど、そんなことは関係ないくらい、宇野さんのことを深く想ってる。

知らないことは、これから知っていけばいいもんね。



「梓、観覧車から出たら、俺ら彼氏と彼女な?」


「う、うん。」


「だから、俺のこと、下の名前で呼べよな。また"宇野さん"とか言ったらお仕置きだから。」


「う、うん。って、え?」






少しずつ地に近づいていく、私たちの乗っている観覧車。


それにどきどきと胸が高鳴っていたのは、私だけじゃなかったみたい。


沈黙が、伝える鼓動。