ちょうどそのときだった。


「梓!」


その声と同時に、大きくて、たくましい手に強く、そして優しく包まれた。


「もう大丈夫だ。」


また、安心するような低い声で、

「お前いい加減にしろよ。」



私にはもう、何が何だかわからない。


「は?誰だよ」


「お前には俺が誰とか関係ねぇんだよ。」


「くっ…」



抱き締められた状態のまま会話が続いていたが、知らない怖い男子はどこかへ言ってしまったようだった。



でも……どういうこと?

助けてくれたのは、誰なんだろう。