「尚毅さん…」 舵をきっているのは尚毅さん。 そのとなりにそっとおろしてくれた。 ハルは椅子をとってくると言って離れた。 「なんでそんなに泣きそうなの」 尚毅さんはあたしをチラッと見てそういった。 「わからない…、あたしでもわからないの」 「日奈?」 舵を固定させるとしゃがんであたし目線にしてくれた。 「…もう、不安で仕方ない」 「日奈…」 そっと抱き寄せてくれる。 あたしはそれに甘えて体重を尚毅さんに預けた。