あれから、どれくらい経ったのかわからない。
あたしのいた、家は全く見えなくなって
あたり一面が海だけになった。
せわしなく動いている船員たち。
あたしは隅っこで座っていた。
となりにはりうくんもいる。
あたしによりかかって寝ていた。
そんなあたしに話しかけてきたのは、
明るい金髪が印象的な男の子。
「日奈さん?」
「そう、ですけど」
「俺ね、ハル」
「……ハル?」
急にあたしの頭のどこかで、ハルという言葉に反応した。
「気軽にハルって呼んでくれていいから!
あいつらたまにおかしなところあるしなー」
「なにがおかしいんだ?」
後ろから声がしたのはソラだ。
ハルくんを見下ろすように見ている。

