海を渡るなんて。


あたしは何もできないのに、いいのだろうか。


戦うことも、料理だってまともにできないのに。


「必ず、戻ってきて」


そういうお母さんはあたしに手紙を託した。


「明日出発すれば、1ヶ月くらいで着くわ」


「お母さん…っ」


「なーに、ちょっとした留学と思って楽しんできなさい!」


そういつもの笑顔で言うと部屋を出ていった。


ソラたちと、船に乗って旅をする…。


大丈夫なんだろうか。


「……はぁ…」


お母さんのこの手紙、届けなくちゃならない。