気がついたら、ベッドの上だった。
ゆっくりと起きあがると、そこにはさっきの女の人。
「日奈ちゃん、何か飲み物いる?」
「…いりません……」
なんだか、何もいらない。
何もする気になれない。
ただ、ぼーっと女の人を見た。
「尚毅がごめんなさい…本当に…」
「…悪くないですよ、あなたは」
「日奈ちゃんは優しすぎるよ」
そう言って悲しそうに笑った。
同じ、女の人だからわかってくれるのかな。
裸を見られてさわられた。
それだけでも、かなり傷つくことを。
「あたしは、渚。ナギってよんで」
「…はい」
「これから、しばらくお世話になるから…」
「どうぞ…」
もう、それはよかった。
ナギがいる分にはかまわない。

