そっとあたしを下ろして、優しく抱きしめてくれた。 「大丈夫だ、もう」 冷たい言い方。 だけど、頭をなでてくれる手は優しくって。 なんだか安心してしまった。 「あの…名前っは?」 「ソラ」 「ソラさん…っ」 「ソラでいい」 「ソラ、ありがと…う…」 そう言うと、嬉しそうに笑った。 初めてみた笑顔はすごくかっこよかった。 「ごめんな、俺の船員が」 あたしは泣きながら首を振る。 そして自分から抱きついた。