「ほら、」
服をとって、あたしに優しく着させた。
怖かったけど。
男の人ってだけで恐怖心はあったけど、
さっきよりは安心できた。
「一緒に戻ろう」
「ごめん、日奈ちゃん」
あたしはどっちにも答えずに、
男の人に支えられて立ち上がった。
だけど、力が入らない。
「先…行ってください」
「んなことしたら、潮乃さんに殺されるよ」
そう言ってあたしを抱き上げると、
歩き出した。
「あ、あの…っ」
「気にしなくていいから」
「…っ」
なんだか、涙が出てきて。
肩に顔を埋めてただ泣いた。
「尚毅、先に行ってて」
「あ、あぁ」

