「尚毅、離れろ」 「え、無理」 「んなこと、よくできるな。 あからさまに嫌がってるだろ」 「…ソラ、見逃して?」 「今回は無理だ」 そう言って尚毅さんをあたしから引きはがした。 目の前でめちゃくちゃ怒られてシュンとなっている尚毅さん。 あたしは震えて何もできず、ただそれを見ていた。 「ごめん、」 そう、あたしを見て男の人が言う。 「早く、服をきた方がいい」 少し、目線をはずしてそう言った。 そんなこと言われても動けない。 あたしはただ震えながらぼーっと男の人を見ていた。