ぽわんと出てきたのは幼い頃の俺。 ───夢か? そこには、本部長もいる。 「なーに、しょげた顔してるんだ? 俺の船の船員になるか!」 「いいの?」 「あぁ。こんど娘も紹介しよう」 「船に乗れるんだ!やったぁ!」 その時俺は振り返って誰かに微笑みかけた。 誰に? 「母さん、父さん! 俺、本部長の船に乗ってくるよ!」 …あぁ、そうか。 この時はまだ、 「宜しくお願いしますね、本部長」 両親はここにいたんだ。