「そうよ? わたしはひなっていうの」 「ひな…?」 「うん、あなたは?」 「ぼくは…わからない」 さみしそうにまゆを垂らしながらそういった彼にあたしは名前をつけた。 「きょうは、そらがきれいだから」 「…?」 「あなたのなまえはソラ!」 「そら…?」 「うんっ!」 それから、お父さんが出発するまでの半年間、一緒に遊んだりして暮らした。 毎日いるのが当たり前で。 あたしはどんどんどんどん、ソラがだいすきになった。