どれくらい、ぼーっとしていただろうか。 近くの木の下に座ってじっと海を眺める。 「あれ、こんなとこで何してるの?」 急に視界が1人の顔だけになった。 「ち、近い!」 「はは、ごめんごめん」 「…誰ですか…?」 そっと離れたその人は、あたしの隣に座った。 「尚毅(なおき)」 「尚毅さん…、」 「君の名前は日奈、でしょ?」 「えっ?」 ビックリした。 なんで、そんなこと知ってるの?って。 「お母さんが探してたよ」