そっか…。 お父さんに会えるんだ。 お母さんからの手紙を渡して、 あたしはなにか話すことができるんだろうか。 あたしの記憶の中にお父さんの記憶なんて欠片もない。 どんな人なのかも、 全くわからない。 「はぁ…」 緊張してきた。 ここまで連れてきてもらったんだから、 きちんと役目は果たさないといけないと思うし。 「よしっ」 手紙をギュッと握り締めて、決意した。