鬼上司のとろ甘な溺愛


「雪村?」


不意に声をかけられ、顔をあげるとそこには見知った顔が怪訝そうに私を見下ろしていた。


「か、課長!」


そこには先ほど会社で挨拶してわかれたはずの神林課長が立っていたのだ。
まさかの相手に驚きを隠せない。


「課長、どうしたんですか!?」


私同様、課長も少し驚いた表情をしていた。
なんで課長がこんなところにいるのだろう。すると課長も同じことを思ったらしい。


「それは俺のセリフ。もしかしてお前もここら辺に住んでるのか?」
「もしかしてって課長もですか?」


私の驚きの声に課長は黙って頷く。
マジか。
そう口にしそうになったのを飲み込む。
最寄りの駅から歩いて5分程のこのコンビニ。そして私はここからさらに5分程歩いたアパートに住んでいる。


課長もこの辺に住んでいたのか。