「いらっしゃいませ~」
私の気持ちとは反対にコンビニ店員が明るい声で挨拶する。
もう夜の10時を回っているのに元気だな、と思うが、そういえばいつもここの店員は客に対して明るかった。
家から一番近いこのコンビニは普段よく使うが、明るい雰囲気は好感を持っていた。しかし今日の気持ちにはあまりそぐわない。
レジにいる店員から逃げるように本棚の前を通って飲み物の前に行く。
駅のそばのコンビニにすれば良かったと思いつつも、まぁいいかと籠にビールを入れていく。
適当に。味など選ばない。
ひとり暮らしでそんなに飲めないくせに籠に入れる手は止まらない。
今日くらいいいだろう。咎める人もいない。
ほどよく酔いが回った思考は少し気持ちを大きくさせた。
するとその時。



