ポチャン…
天井から落ちた滴が、湯船の中に波紋を作る。
那月さんと洗いっこをして、乳白色のお湯にゆっくり浸るとゆるゆると体の強張りが緩んでいくようだ。
後ろからあたしを抱き締める那月さんは、何だかやっぱり元気がない。
「……お母さん、綺麗だったなぁ」
「花乃の目にはどんな風に見えましたか?」
あたしの目?
「えっと……淡く光ってて透き通りそうだけど、ちゃんとお母さんだった……よ?」
「あぁ、そう見えてたんですね」
「……?那月さんにはどう見えてたの?」
だって、まるで別な物を見ていたみたいに言うんだもん。
ちょっと後ろを振り返ると、那月さんの髪から滴る水滴があたしの顔に落ちた。
「……触れられそうな程、はっきりと見えました」
「そっかぁ……でも、それなら間違っちゃいそうだね?生きてる人と亡くなった人を」
一瞬、一瞬だけど那月さんの体に力が入った。
そっと、落ち着けるように那月さんの腕を撫でると、直ぐに力は抜けたけれど……
