花色の月


「克彦の実のお母さんは、克彦を産んで直ぐに亡くなってます。克彦のお父さんと久美子さんが再婚したのは、克彦が5歳の時でした」



あたし、自分が複雑な家庭環境だって、思ってたんだけど……甘かったみたい。

ちょっと頭の中が、こんがらかってきたかも……


「克彦のお父さんが病で亡くなる前に、克也さんに久美子さんと克彦の事を頼んだそうです。克也さんと克彦のお父さんは付き合いの長い友人で、昔一緒に旅をした事もあるそうです」


でも、まさか結婚しろって言われた訳じゃ無いだろうし………、お父さんは友達の奥さんに手を?



「ですが、久美子さんと克也さんは面識が無かったそうです。
克也さんと、克彦のお父さんが会う時は大概夜で、二人だけでお酒を飲んだりしてたそうなので」



あたしも……知らないもん。

まぁ、ちっちゃかったから覚えて無いって事もあるだろうけど。



「それで、会ったものかどうしようか決めかねた克也さんは、昔二人で飲んだbarで思い出を忍びながら悩みました。そこにやはり馴染みだった久美子さんが現れたんです」



なるほど、だから『久美子さんがナンパしてきた』って言ってたんだね。

ナンパかどうかは分かんないけど。



「お互い、病で大切な人を亡くして、心細かったんだと思います。まぁ、だからと言って花乃を置いて出ていった言い訳にはなりませんけどね」



同じ……痛みが分かるから?



「そんな複雑な経緯もありまして、最初克彦は克也さんになつかなかったんです」



あたしの頭の中は沸騰しそうです。