花色の月


克彦お兄ちゃんへの返事を迷いながらも、日は過ぎていって、いよいよ明日はお祭りの日。


お神輿を担ぐんだと、張り切ってはっぴと足袋を用意している光さんは、この間明美ちゃんに浴衣をプレゼントしたらしい。

明美ちゃんに聞いても、やんわり誤魔化されてしまうから、二人の仲については分からない。



那月さんに、どう思う?って聞いてみたら

『…移り気な奴め……』

と、ブツブツ言っていて、結局よく分からない。




今夜は、お祭りを明日に控えて、どこかみんな浮き足立っていた。


実はこのお祭りは名が知れていて、月守旅館も満室になっている。

だから、とにかく忙しい。



「若女将、これどこに置いたら良いですか?」


「あっ、それは百合の間のね?
明日がお誕生日だそうだから、今日はこちらでお預かりしておくの」


「良いですよね~!誕生日がお祭りで、名前が百合さんだから百合の間にっ!」



このちょっとテンション高い、恋に恋する女の子はやっと一通りの事が出来るようになった新人さん。

最近では、熱っぽい視線を那月さんに送っている。

那月さんは名前すら覚えていない位だから、あたしも気にはしていない。


って、言い切りたいとこだけど……