First love~最初で最後に愛した君へ~

一人で納得していると、先生はにこやかに首をかしげる。







「調子はどう? 身体がだるかったり、気分が悪かったりしない?」

「全然大丈夫です。元気ですよ」

「そう。なら良かった」






笑みを深くして、先生は窓の外に視線をやる。





つられて外を見たわたしは、知らずぽつりとつぶやいた。







「良いお天気ですね」

「そうだね。こんな日に屋上とか中庭に行ったら、きっと気持ちいいんだろうなー」

「そうですね。こんな日に……」






お出かけ出来たら、きっと楽しいでしょうね。





最後の方は心の中で呟いて、わたしは澄んだ青空を見上げる。





――外に生きたい。




病院の屋上だとか中庭とかじゃなくて、“外”に……。




もう行けないと分かっているからこそ、そう思ってしまうんだろうか。




よくわからなくて首をひねると、不意に先生が「そうだ」と呟く。







「ねぇ、陽花(ヨウカ)ちゃん。中庭に行こうか」

「中庭……?」

「うん。そう。中庭。今の時期だときっと紫陽花が綺麗だよ」






無邪気すぎる先生の笑顔を見ると、とても断る気にはなれなくてわたしは静かに頷いた。