First love~最初で最後に愛した君へ~

大丈夫。わたしはまだ、平気。

口角をくっと上げて、病室内に漂う嫌な空気を払しょくすべく努めて明るい声で大袈裟に握った右手をたてて左手のひらに軽くあてた。



「かくれんぼしよ!」

「はぁ?」



突拍子のない言葉に、当然ながら笹原くんは声をあげる。

思いっきり目を眇めて。意味分かんねぇ、って感じで。

まぁ、しょうがないよね。

思いっきり怪訝そうな表情を浮かべる笹原くんに笑顔を返し、もう一度言う。



「かくれんぼ、しよ?」

「いや、何でかくれんぼなんだよ。俺らもうそんな遊びする歳じゃないだろ?」

「高校生でもかくれんぼするよ! わたし、一昨日したし!」

「……バカじゃねぇの」

「人並みには勉強できますけど」

「1+1は?」

「……バカにしてんの」

「答えらんねぇの?」

「2」


不貞腐れながら答えると、笹原くんは目を見開いて硬直する。

ちょっと待って。もしかしてこの子、わたしが1+1も分からないって思ってたの。

何この人。すごく失礼じゃないか!

まさか、本気でバカ……ってか、頭悪いと思われてるなんて思わなかったわたしは完璧にスネてじとっと笹原くんを睨む。