First love~最初で最後に愛した君へ~

寄こされるのは「やっぱりな」って感じの呆れた視線。


そ、そんな目で見ないでよ。仕方ないじゃん!


視線が上げられずにひたすらに真っ白な染み一つないシーツを凝視し続けていると、不意に部屋の扉が開く。


そこからひょっこり顔をのぞかせたのは、笑美さんと佐倉先生。



「って、笑美さん。何ですかその顔は……」

「いやー。陽花ちゃんに男の子が訪ねてきたから気になっちゃってー。なになに? 彼氏?」

「違いますって!!」



にやにや笑って病室に入ってくる笑美さん。


対する佐倉先生は心配そうな表情をしていたけど、わたしが笑美さんの言葉を否定した瞬間ほっとしたように息をついた。


……あぁ。先生、心配してくれてたんだ。


わたしの余命はあと半年。もし、彼氏がいたのならきっと苦しい思いをしてるだろうと。


思わず苦い笑みを浮かべると、それに気付いたんだろう。


笑美さんは佐倉先生を無言で睨みあげ、笹原くんは心配そうにわたしの顔を覗き込んだ。




「朝霧? 大丈夫か……?」



どくん、って心臓が跳ねた気がした。


だって、笹原くんがあんまりにもカッコ良かったから……。


上目遣いで心配そうに見上げてくる彼。


計算しつくしたみたいに完璧なそれに、ときめかない女子なんていないと思う。




「……朝霧?」

「……え? あ、何?」

「何? じゃねぇよ。大丈夫か? ホントに」

「あぁ。うん! 大丈夫だよ!」



眉をひそめる笹原くんにわたしは元気よく頷いて見せた。