First love~最初で最後に愛した君へ~

勝ち誇ったようにわたしを見下ろす笹原くんを精一杯睨んで、わたしはマンガを慌ててベッドの中に隠す。


この人王子様なんかじゃないよ……。


王子様みたいな見た目した悪魔だ! 悪魔ー!



「詐欺じゃん……」

「ん?」

「ナ、ナンデモナイデース」



そろりと視線を反らして、窓の外を見上げると室内に沈黙が訪れる。


沈黙は、あまり好きじゃない。


息苦しいって言うか、居心地が悪いって言うか……。


対して知恵もない頭で何か話題はないかと久しぶりにフル回転させるけれど、最近まともに頭を使っていないだろうか。


数分でかなり疲れた。イヤ、もうしんどい……。


はぁっとため息をついて、笹原くんを見ようとしたその時、意外にも彼が口を開いた。



「――なぁ。遊び相手になれって言われたから来たけど……何するんだ?」



分かりません。


即答しそうになって、わたしは慌てて言葉を呑みこむ。


ダメだ。絶対こんなこと言ったら怒られる。


それこそ、デコピンが飛んでくるに違いない。


じゃあ、どうしよう?


実はと言うと、遊び相手になってと言っておきながらその内容を全くと言っていいほど考えていなかった。


だって、あの時咄嗟だったし?


仕方ないじゃん?


なんて心の中で言い訳をしながら、疲れ切った頭を使うけれど……うん。全く思い浮かばないや。


……どうしよ。


本気でヤバい。何にも案が浮かんでこないんだけど。


考え込んでいると、始めこそ不思議そうな顔をしていた笹原くんだったけど時間がたつにつれて、半眼になりじとめでこちらを見つめられる。


あぁ。絶対気づかれてる。


笹原くんの視線もあって、焦りがどんどんつのって行く。


始めこそ笹原くんと視線が合わないように視線をあちこちに彷徨わせていたわたしだったけど、最終的にはそれも疲れて曖昧な笑みを浮かべた。




「んー……。なにしよっか?」

「……」



帰って来たのは深いため息。