First love~最初で最後に愛した君へ~

わたしは、ホラーだとか幽霊だとかが大の苦手。



病院に入院するのだって、本当は幽霊が出そうで嫌だったんだ。



幸い、今まで一度も夜中に目覚めてないから良いんだけど……。



呆れ果てたような視線を感じながら、わたしは俯いて言い訳を並べる。




「ほ、ホラテレビとかでも良くあるじゃん。自殺した場所に住みつく霊とかさ……」

「……」

「びょ、病院で彷徨う霊とか――!!」

「……テレビの見すぎだ。バカ」




ふわりと、彼はその顔に笑みを浮かべた。


その笑顔があまりにも綺麗で、わたしは数秒固まってしまう。


なんて、綺麗な笑顔なんだろう……。


爽やかともつける笑顔は、今までに見た何もよりも綺麗で。


こんな顔も出来るんだ……。


彼の笑顔を見ていると、何故だが嬉しくなって自然と口元がほころんだ。


わたしが笑ったせいなんだろうか。彼は虚をつかれたように目を見開く。





「アレ……? どうしたの?」




わたしをじっと見つめたまま、微動だにしない彼に首をかしげるとハッとしたように我に帰った彼はばつの悪そうに顔を背けておもむろにフェンスに手をかけてよじ登る。



そのあまりに自然な動きを思わず目で追っていたわたしは、彼がわたしの目の前に来たことで目を見開いた。



嘘! こっち戻ってきてくれた!



もしかして……、自殺やめてくれた感じ?



少しの期待を胸に、目の前の彼を見つめると彼は深々とため息をつくと澄んだ瞳でわたしをじっと見つめた。




「……なってやるよ」

「何に?」

「お前の遊び相手に」




数秒、何を言われたのか理解できなかった。



遊び相手? 何それ?


わたしそんなこと言ったっけ?


記憶を手繰り寄せ、はっとしたと同時に目を瞠って思わず後ろに勢いよく後ずさる。





「え、えええぇぇぇ!? い、いいの!? ホントにいいの?」

「良いから戻って来たんだろ。……つか、お前。さっき自分の言ったこと忘れてただろ」

「え、えへっ」

「……気持ち悪い」




ちょっ、酷! 仮にも女子に対して、気持ち悪いって。


もっと言い方ってものがあるでしょうが!


言い方ってものが!!