そっと、静かに唇が重なった。
蓮があたしの手を強く握った。
あたしは握り返した。
蓮の思いが温かい手から伝わってくる。
あたしの思いも伝わってるかな?
とろけるような、麻痺しそうなキスに、頭がジンジンする。
あたしは幸せだよ。
蓮と今居れて。
蓮に沢山貰った言葉。
蓮に出会えた事……
抱えきれない喜びが、今のあたしの心を満たしている。
泣いた日も、苦しんだ日もあった。
だけど今こうして蓮といられる。
お互いが好き合って。
それって凄い事だよ。
奇跡みたいだね。
蓮のキスが、あたしの体も心も支配して、蓮しか考えられなくなって。
失いたくない。
この温もりを。
離したくない……
一瞬一瞬を大切に生きていこうって、この頑固なあたしでも素直に思ったよ……
蓮のおかげだよ?
「……ふ」
長い長いキス。
蓮もあたしと同じ事考えてる?
離したくない。
絶対…………。
強く握ったその手から伝わる思い。


