…と、次の瞬間。
もう片方の腕を誰かに引っ張られ、あたしは少しよろけた。
パッと後ろを振り向くと蓮だった。
左腕は三宅先輩、右腕は蓮に引っ張られている。
2人とも腕を引っ張る力が強い。
『何処連れてく気?』
目を鋭くさせて先輩に問う蓮。
『ちょっと話あって。』
睨み返す先輩。
…どうしたの!?
二人とも怖いって!!
『何の話だよ?』
『関係ねぇだろ?
てか口の聞き方何?』
「……」
何も言えないあたし。
『はぁ…
本当に少しだから。
話させろよ。』
『本当かよ……』
「蓮!!
あたし…本当に少し行くだけだから!!
ですよね?先輩!」
『ああ…』
『…………』
蓮は黙り込む。
「蓮…また来るから…」
『………おう』
蓮の寂しそうな顔を見ると、行きたくなくなるけど……
っていうか、ちょっと嬉しいけど♪
少しの間だから。
少しの…間………
だと思ってた。


