――真っ暗だった。 きっと不安で仕方ないに違いない、そう思うと抱き締めずにはいられなかった。 きっと不安なのに。 それなのに一切声が聞こえないんだ。 ギュッと手を握り締めて、じっと耐え忍んでいる姿は酷く大人びていて、見ている方が泣きたくなる。 どうして俺らは弱いんだろう。