私が床で倒れていたということは、青年はまだ帰って来ていないようだ。 ゆっくりと体に力を入れ、立ち上がる。 逃げるなら今しかない!! 関節が軋み、歩くのが精一杯だった。 扉の前に立ち、耳を済まして外から音がしないのを確認する。 ドアノブを音を立てないように回すが、途中で止まってしまった。 「鍵が……」 鍵が外側から掛けられていた。 ならば窓から……。 振り返り、ゆっくりとカーテンの開けられた窓に向かう。