僕は資料から顔を上げる。

「廃墟ビルから新しめの血痕が見つかった。もしかしたら犯人のかもしれない。今、分析してもらってる」

白城は僕の手からブラックコーヒーの入った紙コップを取ると、一口飲んだ。

「苦っ……甘々じゃないと無理だわ、俺」

「飲めないの分かってて何で飲むんですか……」

笑いながら白城の手から紙コップを取る。

「そろそろ飲めるかなって」

ハハッと笑って答える。

「……DNA、誰かと一致しそうですか?」

僕の隣に座った白城を見る。