『にげぇー』 べーっと舌を出す。 『良薬口に苦しよ』 口の中が苦すぎて、言い返せなかった。 『熱測ってから寝なね』 言われた通り熱を測ると、38度に下がっていた。 『お、少し下がってる!』 『良かったね。私は洗い物して、雨が弱くなったら帰るから。気にしないで寝てていいよ』 ベッドに横になった俺の額に冷却ジェルシートを貼りながら言った。 『いや、送ってく』