眉を寄せて火茂瀬の話を、ナイフに付着した血液や脂肪を顔を拭いたハンカチで拭き取りながら聞く。 ナイフの刃を赤く染まったハンカチに包んでコートの内ポケットに入れた。 「僕は慣れちゃったからなぁ」 最初こそ躊躇ったものの、回数を重ねていくうちに、殺す事に迷いは無くなっていた。 正常な心は持っていない。 「さ、帰るか」 「あ、家まで送りますよ」 黒いコートは血液が目立たなくて助かる。 僕たちは結界の張られた路地裏から出る。 停めてあるバイクの所へ着くと突然、火茂瀬が喋り始めた。