「じゃーまたな!」

今は,あたしの家の前。


龍もみこチャンも先に帰っちゃってて独りぼっちだったあたしを,『危ないから』と送ってくれた。


「ばいばーい♪」

笑顔で手を振る金髪男に気がつけば,あたしも笑顔で手を振っていた。






好きになる…。


あんな笑顔は反則ですよ…。



これじゃぁ,あたしも好きみたいじゃん…。







金髪男………。




本当は,名前を知っている…。





浅木 京介。





でも,呼べないの…。
声が出ない人魚姫みたいに,あの人の名前が呼べないの…。





京介…。