「絵描きさん。」



振り返ると、そこには先生がいた。



「先生。」




「課題、終わったのね。」



「はい。ばっちりです!3ヵ月後には学園を出ようと思っています。」



「…そう。それは"卒業"じゃなくて"退学"?」



「そうですねぇ。テストの数値も下がり続けているので、丁度いいことかと。」



「あなた、この学園の"退学"がどういう意味か分かっているの!?」



「知らなきゃ"退学"なんて選びません」



「あなたは前まで優等生だったじゃない。お願いだから"退学"だなんて言わないで。」



「もうここにいる意味がないんです!課題のためにここにいたのに、もういる意味なんてない!」



「"退学"した人は幸せにはなれないわ!」



「私は今とても幸せなんです!これで十分なんです!退学届けはもう出しました。」



「なんで…」



「これ以上、才能は開花できません。」