「あーっ!終わんない!」

狭い生徒会室で沢山の仕事を前に
思わず叫ぶ。そんな事に構わず、
せっせと仕事を進める周りを
尻目に携帯をいじり始める。

「みなたーん!
ちゃんと仕事やんなきゃだめだよーっ!ぷんぷん!」

「すずー…」

八乙女スズ。
同じ学年で生徒会、サッカー部マネ。
そして、とてつもないぶりっ娘、
男好きという濃いキャラで有名。

でも根はとても良い子で、
よく相談したりしている。

「ほらー!携帯だめだめ!
すず怒るよー!ぷんぷーん!」

「返してー!!」

「うるさい、黙ってやれ」

「達……か、会長…」

川島達樹。
生徒会長であり私の幼馴染でもある。
そして、二ヶ月前に告白して
見事に振られた相手だ。
冷たい性格。特に私には。

…でも私は今でも…
達樹が好き…大好き。

何だかんだで優しい。
告白の後も普通に接してくれた。

恋愛対象として見られてなくても
…私は…私は…!

「痛っ!」

「このノロマ!
ボーッとしてないで、
さっさと仕事しろ!」

「そうだよ、みなたん!
頑張ろ!」

「……はぁーい…。」

丸めた厚い画用紙で殴られた所を
さすりながら、
ため息混じりの返事をする。

そして、渋々仕事を
再開しようとした所に