日が傾き教室にオレンジの光が射し込んで来た時間。
「お疲れ様~!じゃあまたねサラ!」
「うん!またね~笑花」
お化け屋敷を終えてあたしとサラは、厚化粧を落としてからそれぞれの場所へ向かう。
あたしは駆け足で4階の1年生の教室へ行く。
まだ、ちらほら1年生が数人教室に残っていた。
「えーみか先輩♪」
「ん?あっ、蒼空くーん!」
「お疲れ様。はい、ご褒美」
あたしに手渡されたのは缶ジュース。
先輩が後輩に奢ってもらうなんて不思議な気分…。
でも蒼空くんの気持ちだから、ありがたくもらっておこう。
「ありがとう!」
「どういたしまして!かわいい先輩のためならいくらでも」
「そんなお世辞言ったって何も出て来ないわよっ」
「本音言っただけっスよ」
あたしの長い茶髪の髪に指を通して優しく微笑む蒼空くん。
あたしの顔が赤くなってるのは夕日のせいにしたい……。

