放課後に桜音を待って玄関にいると、小走りで俺の元に来た。
ポニーテールの黒髪を揺らして。
「遅れてすみません!6時間目が体育だったんです」
「へぇ~…かわいいじゃん。髪」
「あっ!……髪ほどくの忘れてました…」
「スッキリしててかわいいけど。好きだよ、俺は」
「うっ………て、照れますよ~…」
下を向いて歩く桜音がかわいすぎて、もっといじめたくなる。
桜音に意地悪するのは楽しいし。
「どっか行きたいトコある?」
「私、デートとか初めてなので……琥珀くんにお任せします」
「んー…。じゃあ、ゲーセンでも行く?」
「ゲーセン?」
「ゲームセンター」
「行きたいですっ!」
こんなに目輝かせる桜音はリンゴジュース飲んでる時、意外にあるんだな。
ま、いっか。
着いてもないのに、ニコニコ笑っててかわいいから。

