屋上へ行くと、正座でフェンスに寄り掛かる桜音ちゃん。
「いきなり呼び出してすみません」
「なんかあったの?」
「いえ……少し午後の授業をサボリたくなっただけです。…頼って…ごめんなさい…」
「一緒にサボるかっ!」
桜音が俺と一緒にいたいってことだろ?
悪い気しないし、むしろもっと頼ってほしい。
「なんだか…琥珀くんは意地悪なのに優しいですね」
「なにそれ?」
「誉め言葉ですよ。琥珀くんの良いところです」
「期待するよ…俺」
「あたしに、ですか?」
俺が頷くと顔を真っ赤にして俯く。
マジで期待しちゃうんだけど。
こんなに人を好きになったのは初めてだ。