ココアをふーっと冷ますと、テーブルに置いてあったあたしのケータイが震えた。


桜音ちゃん……?


「桜音ちゃんか…珍しい。……もしもし~?」

『あっ!笑花さんですか!?琥珀くんがっ…』

「ん?琥珀がどうしたの?」

『ケガしちゃって……。とりあえず今から言う病院に来てもらえますか!?』

「ケガ!?う、うん……分かった。教えて」


桜音ちゃんの息を切らした声。


相当、慌ててるっぽいけど……琥珀大丈夫だよね?


ケータイを持つ手が少しだけ震える。


「どうしよ……病院行かなきゃ…。琥珀ケガしたって…桜音ちゃんが…どうしよ!」

「笑花ちゃん落ち着いて?琥珀なら絶対に大丈夫」

「そんなの分かんないよ…っ」

「分かんないから病院一緒に行こ?ね?」

「うん……。行く」


ずっと蒼空くんに手を握ってもらいながら、あたしはタクシーで病院へ行く。


3階の部屋だから……


ドキドキが止まんない。