隣を見ると、完全にびびってる桜音。
そんな桜音にお構い無しに近付くさやか。
「へぇ~………琥珀が大事にしてる彼女、どんな子かと思ったら普通にかわいいじゃん!」
「えっ、あ、あっ……」
「なに~?この子無口?」
「桜音とお前は違うんだよ。コイツ人見知り激しくて、馴れたヤツとしか話せねぇの」
「ふ~ん。かわいいのに勿体ない」
俺の腕に掴まって後ろに隠れてしまう。
この人見知りも治してやんなきゃマズイよなぁ~…。
「桜音ちゃんだっけ?」
「うっ、はっ、ははい!」
「アンタかわいいんだから、もっと自分に自信持ちなよ。ね?」
「あ、ありがとうございますっ!」
さやかは桜音の頭をポンポンと撫でると、友達と人混みの中に消えていった。
少しだけ話せたな。
うん、桜音にしては頑張った!
もしかして…俺って桜音に甘い?

