さりげなく、桜音の右手を引っ張って指を絡める。
桜音は俺のって見せ付けるチャンス。
「こっ、琥珀くん……クラスの人に何て言われるか……っ…」
「いちいち人のこと気にすんな。俺らは付き合ってんだから」
「でっ、でも見られてる気がします!」
「はい、気のせい気のせい!」
恥ずかしがる桜音をシカトして、屋台を見て回ってるとまさかのアイツ。
「あーっ!琥珀じゃーんっ!久しぶり♪」
「げっ!さやか!」
「なによ~。アンタが招待状くれたから友達と来てやってるんじゃない!」
「だってお前……授業あるって言ってたよな!」
「ピアノばっかでつまんないもん。サボリ♪」
持ってても邪魔くさいからって、授業があるさやかに渡した招待状。
渡すヤツの選択をミスったー!!
前にゴタゴタあったから、桜音とさやかを会わせたくなかったんだけどなぁ~………。

