お化け屋敷を出てから、しっかり手を繋いで校内をブラブラする。


「なんで琥珀いるとこに連れてったの~?意外に怖かったし!」

「ごめんねー!姉弟なら気づくかなぁ~と思ったんだけど」

「考えてる余裕ないもん!気づかないよ~…」

「ごめんごめん!今度は、ちゃーんとデートしよっか」


怖さで拗ねるあたしの頬をムニーっと引っ張り喜ぶ蒼空くん。


あたしの反応見てずっと笑ってるんだから!



「今日の笑花ちゃんかわいかったよ。嫉妬してくれたり、怖くて泣きそうになってたり!」

「ちょっとそれ褒め言葉なの!?」

「そうだよ。彼女の色んな表情見れんのって嬉しいから、ね?」

「………褒め言葉なら嬉しい…」

「キスしちゃいたいけど、また後でね」


こんな人混みでキスなんて、できるはずない。


でもキスしたいって思うのはあたしのわがまま。


蒼空くんの隣は、あたしだけでいさせてね。