蒼空に付き合ってもらって、ホワイトデーのお返しをゲットした俺。


放課後の美術室に行き桜音を呼ぶ。


「桜音ちゃーん」

「あっ!琥珀くんっ」


鉛筆片手にデッサン中だったみたいで。


初めて桜音の部活してるとこ見たかも……。


「部活中に来るなんて珍しいですね」

「ちょっと渡したいモノあってな。今いい?」

「はい!いいですよ」


美術室の隣にある資料室とゆう名の空き教室。


そこに入って無造作に置かれた椅子に隣り合って座る。


「じゃーん!桜音にバレンタインのお返し」

「うわぁー!ありがとうございます!開けてもいいですか?」

「どうぞ?」

「……クッキー♪私の大好きなお菓子ですっ」


笑顔でクッキーの箱を持つ。


こんなに喜んでくれるなら、財布がカラになったのは何も痛くない。


むしろ幸せ。