続☆意地悪な幼なじみの君に恋をした




バレンタイン当日の朝。


初めて自分の家ではなく、友達の家で迎えるバレンタイン。


蒼空くんのために作ったトリュフはキレイにラッピングして丁寧に、鞄に入れる。


「よしっ!サラ!学校行こっ」

「ちゃんとチョコ持ったかー!」

「持ったよ!サラは?」

「バッチリ!」


そう言って頬をピンクにするサラは、やっぱり恋する女の子。


今日は髪をあたしみたいに緩く巻いてるから。


学校では早く授業が終わらないか、待ち遠しくて……


早く蒼空くんに会って渡したいな~…。


放課後、軽音部の部室に行くと会いたくなくても必ず会うヤツ。


「ん?あっ、笑ちゃん」

「こ、琥珀……」

「蒼空なら第一音楽室にいるから。…大丈夫?」

「うっ、うん…大丈夫。ありがと」


あたしに気を使って家出のことに触れない琥珀。

弟なりの気づかいが胸に痛いほど染みて、帰ろうかな?って思うけど……


これでいい。