だから正直、桜音の気持ちはわからない。


下手に共感してあげることもできない。


ただ横で話しを聞くことしかできない。


「……話してくれてありがとな。辛かったな、それは…」

「なので、たまに恐くなるんです」

「なんで?」

「琥珀くんといる今が、すごく幸せすぎて恐くなるんです。この幸せ壊れたらどうしようって…」


細い左手首に付いてるピンクの時計を不安そうに触る。


そんな桜音を見てられなくて、ぎゅっと腕の中に閉じ込めた。


桜音が不安になったり、寂しくなったりしないように………


「琥珀くんは温かいですね。いっつも温かいです」

「桜音の気持ちはわかんねー…でも話しから聞くから。辛くなったら俺を頼れ」

「止めて下さいっ…泣きそうになります…うっ……」

「泣き虫……今だけ許してやる」

「ふぇっ……うっ~…琥珀くんっ…」


桜音はきっと寂しかったんだよな。