シーンとして気持ち悪い空気の俺の部屋。
そこに桜音の高い声が静かに響く。
「私の家族は5人家族で…兄と姉がいるんです。厳しい医者家系で両親と兄が医者なんです」
「すげーな…家族に三人も医者いるなんて」
「そうですかね?ちなみに姉も大学生で医学部なんですよ」
「普通に考えたら裕福そうで、羨ましいけど…」
「私は違います。末っ子で出来が悪くて……兄と姉ほど勉強できないし……」
俯きながら寂しく笑って、話した。
桜音じゃないみたいだ…。
「家が嫌になったんです。なので遠い学校を受験して下宿生活にしました」
「家が嫌とか……そんなこと言うなよ」
「本当なんです。居場所のないお家…琥珀くんには想像出来ないでしょう?」
「それは………っ」
確かに想像出来ない。
俺の家族は、桜音の家みたいに厳しくないしバカだけど楽しい。
家族仲だってかなりいいはずだ。

