舞踏会の夜に。






鏡を見ないで支度をするのは大変だったけど、なんとか支度を終えて家をでると、もうみんなは行ったみたいだった。









「急がなくちゃ、王子様と踊れない!」









急いでお城に行くと、やっぱり王子様はもう予約いっぱいで、踊れそうになかった。









踊ろうとするのが高望みだったのかもしれない。









でも、王子様が見れただけで。










それだけで今の私には充分だった。









用意されていた食べ物を食べながら、王子様を眺める。









普段こんなに王子様を見る機会などなかったものだから、瞬きするのさえ惜しかった。









すると、王子様と目があった気がした。









顔が熱くなる。










口の中にいっぱい入っている食べ物を呪いながら、可愛くいようと急いで飲み込んだ。









でも、もう王子様と目があう事もなく。









「こんにちは。」








その声にびっくりして振り向くと、見た事の無い男の人が立っていた。