舞踏会の夜に。






「それで、あたしの所に来たって?」









「うん。」









椅子に座って用意された紅茶を啜りながら、私はここに来た経緯を話した。









ネロリアはなんだか悲しそうな顔をしている。









なんでだろう?









「まあ、今あたしが止めたとこでルニアは聞かないだろうから。」









ネロリアはそう言うと、なにやら呪文を唱えた。









「はい、これでルニアは魔女には見えないし、可愛くなったわ。」









「ありがとう、ネロリア。」









そう言って鏡で顔を確認しようとした。









「ああ、ちょっと待って。

まだ注意事項を話してないわ。

鏡は見ちゃダメ。

そしたら、魔法が解けちゃうから。


だから、戻りたい時は鏡を見ること、いいね?」









「っはい。」









私は鏡に伸ばしていた手を急いで引っ込めた。









そうして、ネロリアと別れると陽はもう落ちていた。









「急いで支度をしなきゃ。」









私はネロリアがずっと前にくれたまま、まだ一度も着ていないドレスを棚から引っ張り出した。









淡いピンク色の生地に沢山のヒラヒラやキラキラがついていて、着ることはないだろうと思っていた。









まさか、こんな事があるとはね。