2人で肩を並べてしばらく歩く。





近すぎるその距離に、どうしてもドキドキしてしまう。






諦める、なんて言ったけど、やっぱり無理だよ。






あたしがまた泣きそうになっていると、來斗が話しかけて来た。






「…春亜、俺別れる気ないから」





「………………え?」




な、なんで?



來斗はあたしの事、嫌いなんじゃないの?






「………なんで、」




「春亜が俺と別れたくても、俺は別れてやらない」








──気づくと、家の前にいた。






訳がわからなくて、あたしは立ち止まる。





同じ傘に入る來斗も、あたしを見て立ち止まった。