「……………春亜」





一瞬、息が止まるかと思った。





「……ら、いと」




今日1日避け続けた人物が、そこに立っていたから。






來斗があたしに話しかけるなんて、本当に久しぶりだった。






「……お前、雷苦手だったろ。俺の傘入れ」




「あ………う、うん」




まさか入れてくれるなんて思わなくて、あたしは驚きながらも來斗の傘に入った。







……あたしが雷苦手なの、覚えててくれたんだ。






思えば、大きな雷が家の近くに落ちたあの時も、來斗は側にいてくれた気がする。





しゃがみこむあたしの手を握って、『大丈夫』って何度も言ってくれたんだ。