羅衣は入口に背をついて。 黙って……その光景を眺めていた。 汗を拭うこともなく、苦しそうに顔を歪ませて。 まるでそこには…対戦相手が存在しているかのように。 ディフェンスを避け、シュートコースを見極めようとする鋭い眼光が…見える。 イケメン王子だなんて… 誰が言った? そこにいるのは、ただの…… 高校生。 がむしゃらで、ただひたむきな…… 不器用な男。